「役員変更登記」とは、取締役、代表取締役、監査役など会社の役員構成に変動があったときに、それを登記簿に反映させる手続きのことです。株式会社では、登記事項に該当する役員については法務局への登記が義務付けられています(会社法第911条、第915条など)。
変更内容が発生した日から原則2週間以内に申請する必要があり、これを怠ると過料の対象となります。
2. 就任・辞任・再任の違いと登記要件
役員変更といっても、実際には「就任」「辞任」「再任」など複数のパターンがあります。それぞれの違いと登記の要件を整理しておきましょう。
● 就任(新たに役員になる)
新任の役員が会社に加わることを「就任」といいます。登記に際しては、本人の就任承諾が必要であり、登記申請の際には「就任承諾書」や「印鑑証明書」などが求められます。
※ 取締役が代表取締役を兼ねる場合は、「代表取締役の選定に関する議事録」も必要です。
● 辞任(自ら退く)
役員が自らの意思で退任するのが「辞任」です。取締役が辞任する場合、原則として株主総会の承認は不要で、辞任届の提出だけで足ります。ただし、代表取締役の辞任は後任者の選任を伴うため、慎重に手続きする必要があります。
● 再任(任期満了後の再任)
取締役や監査役には任期があり、任期満了後に再び同じ人物が就任することを「再任」といいます。再任は就任と似ていますが、同じ人物が継続して役員になる場合でも、改めて登記が必要です。
3. 各ケースにおける必要書類一覧
ここでは、実務上よくあるパターン別に、必要書類をまとめます。