【第3回】「放置するとどうなる?休眠会社・みなし解散・清算結了遅延のリスク」

2025年11月14日

「登記をしないまま会社を放置してしまった…」
そんな状態が長く続くと、法務局から「みなし解散」扱いを受け、会社が強制的に閉鎖される可能性があります。本記事では、香川県の登記実務の現場から、清算結了を怠った場合のリスクや再生方法を司法書士がわかりやすく解説します。

目次

  1. 清算結了登記を放置するとどうなる?
  2. 「休眠会社」と「みなし解散」の違い
  3. 法務局が行う「みなし解散公告」の流れ
  4. 香川県で実際に起きた事例
  5. 会社を再生するには?(みなし解散取消登記)
  6. 清算結了登記を忘れないためのチェックリスト
  7. まとめ:放置しないことが最大の防止策

1. 清算結了登記を放置するとどうなる?

 会社を解散したあと、債務整理や財産分配を終えた時点で行うのが「清算結了登記」です。
 これを行わずに放置してしまうと、登記簿上は「清算中の会社」として存続している状態になります。

 香川県内の法務局(高松・丸亀・観音寺など)では、
一定期間「登記が行われていない会社」について、法務局が調査を行い、
最終的には「みなし解散」の公告が出されます。

 つまり、**清算結了登記を怠ると、法的に"強制的に会社が消える"**リスクがあるのです。

2. 「休眠会社」と「みなし解散」の違い

 似た言葉に「休眠会社」がありますが、これはあくまで事業活動を停止しているだけの会社を指します。
 一方の「みなし解散」は、法務局が公告をもって会社を強制的に解散したとみなす制度です。

「知らない間にみなし解散された」というケースは香川県でも少なくありません。

3. 法務局が行う「みなし解散公告」の流れ

 みなし解散は、会社法第472条に基づいて法務局が自動的に行います。
 おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 12年以上登記がされていない株式会社を調査
  2. 「公告」(官報や法務局掲示)で一定期間の異議申出を呼びかけ
  3. 異議がなければ、法務局が**職権で「解散登記」**を実行
  4. その後、会社は「清算中」状態となる

 つまり、「何もしない=会社が強制的に解散される」状態になります。
香川県の高松法務局では、毎年この公告が定期的に行われており、株式会社を中心に通知が届く事例が多くあります。

4. 香川県で実際に起きた事例

 たとえば、香川県高松市のある中小企業では、
代表者が退任後に放置していた登記簿が「12年間未変更」とされ、
法務局から**「みなし解散予告通知」**が届きました。

 その結果、登記を復活させるために「みなし解散の取消登記」を行う必要が生じ、
約3週間の手続き期間と登録免許税3万円が発生。
結果的に、**「放置=余計な費用と時間」**という形で大きな負担となりました。

5. 会社を再生するには?(みなし解散取消登記)

 一度みなし解散されても、事業を再開したい場合には「みなし解散の取消登記」を行うことが可能です。
 手続きの流れは次のようになります。

  • 株主総会を開催し、「解散取消の決議」を行う
  • 決議議事録と代表者印鑑証明書を用意
  • 登録免許税(3万円)を添えて法務局に申請

 香川県では、登記完了までおよそ2〜3週間程度。
 ただし、公告後すぐに動かないと、清算人が不明確になるなどのトラブルが発生するため、早期対応が大切です。

6. 清算結了登記を忘れないためのチェックリスト

この流れを怠らなければ、法務局からの「職権公告」を受けることはありません。

7. まとめ:放置しないことが最大の防止策

会社を「閉じる」ことは、設立よりもはるかに複雑で、期限管理が求められます。
清算結了登記を行わずに放置すれば、会社がみなし解散・職権抹消されるリスクがあり、再登記には多大な手間とコストがかかります。

香川県では、特に地方中小企業や合同会社での登記放置が増加しています。
心当たりがある場合は、早めに司法書士へご相談ください。

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