【会社経営者必見】登記懈怠とは?知らないと過料のリスクもある登記義務違反の基本を解説

2025年07月28日

会社の登記は単なる事務手続きではなく、法律上の義務です。特に「登記懈怠(とうきけたい)」は、会社の役員変更や本店移転などに関して、期限内に登記をしなかった場合に生じる法令違反であり、会社の信用や運営に悪影響を及ぼすおそれがあります。本記事では、登記懈怠の意味や起こりやすいケース、法律上のリスク、そして防止のために知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。経営者・役員・総務担当者の方は必見の内容です。

【目次】

  1. 登記懈怠とは何か?
  2. 登記懈怠が発生する主なケース
  3. 登記懈怠に対する法的リスクと制裁
  4. 登記懈怠と選任懈怠の違い
  5. 登記懈怠を防ぐために必要な対応とは?
  6. まとめ:小さな手続きの遅れが大きなリスクに

1. 登記懈怠とは何か?

 「登記懈怠」とは、会社の登記事項に関して、法律で定められた期限内に登記を申請しないことをいいます。

 会社法第915条では、登記すべき事由が発生した日から2週間以内に登記をしなければならないとされています。例えば、取締役の就任や退任があった、または会社の本店を移転したといった場合、2週間以内にその変更を登記しなければなりません。

 この2週間という期間は「短い」と感じる方もいるかもしれませんが、これはあくまで法定期限です。怠ると法的な制裁が科されるおそれがあります。

2. 登記懈怠が発生する主なケース

 登記懈怠が起こる原因としては、以下のようなケースが挙げられます。

  • 取締役の就任・退任があったのに登記を失念していた
  • 本店移転をしたが、法務局に登記申請していなかった
  • 増資や減資などの資本変更登記を忘れていた
  • 任期満了による役員再任時に再任登記をしていない

 多くの場合、こうした懈怠は「うっかり忘れていた」「重要性を認識していなかった」「担当者が退職していた」など、人的・管理的な要因で発生しています。しかし、理由のいかんにかかわらず、法的な義務は免れません。

3. 登記懈怠に対する法的リスクと制裁

 登記懈怠に対しては、商業登記法第164条に基づき、**過料(行政罰)**が科されることがあります。金額は状況により異なりますが、5万円〜100万円程度となるケースもあり、会社にとっては無視できない負担です。

 また、法務局から過料の通知が来るだけでなく、以下のようなリスクも生じます。

  • 信用調査会社の評価に悪影響が出る
  • 金融機関や取引先から「ガバナンスの甘い会社」と見なされる
  • 重要な契約の締結時に問題視される
  • 補助金や融資の申請時に不利になる

 これらはすべて、たった1つの登記漏れが引き金になる可能性があります。

4. 登記懈怠と選任懈怠の違い

 「登記懈怠」と似た言葉に「選任懈怠」がありますが、この2つは本質的に異なります。

  • 登記懈怠:役員の選任や退任など、社内の手続きは済んでいるが、登記だけ怠っている状態
  • 選任懈怠:役員の任期満了や辞任等があったにもかかわらず、新たな選任自体が行われていない状態

 つまり、登記懈怠は「登記漏れ」であり、選任懈怠は「会社としての意思決定の欠如」です。どちらも問題ですが、後者は会社機能そのものが停止する可能性がある重大な懈怠です。

5. 登記懈怠を防ぐために必要な対応とは?

 登記懈怠を防ぐためには、以下のような管理体制の整備が重要です。

  • 役員任期や登記事項の変更予定をカレンダー等で管理
  • 株主総会や取締役会の議事録作成後、即座に登記申請の手続き
  • 登記手続きの担当者を明確にし、業務フローを整備
  • 登記申請を専門家(司法書士など)に依頼することで抜け漏れを防止

 また、年に1回程度、登記事項証明書を取り寄せて内容を確認することも有効です。現状と登記内容に齟齬がないか、定期的に見直しましょう。

6. まとめ:小さな手続きの遅れが大きなリスクに

 登記懈怠は「ちょっと忘れていただけ」で済まされるものではなく、法的制裁や信用低下など、会社にとって大きなダメージをもたらす可能性があります。登記を適切に行うことは、会社のガバナンスを支える基本中の基本です。

 特に、会社の成長や変化が多い時期ほど登記懈怠は起こりやすくなります。日頃から社内の登記事項に関心を持ち、必要な対応を期限内に行うよう心がけましょう。

 次回は、登記懈怠よりもさらに重大な「選任懈怠」について解説します。役員の任期や選任を放置すると、行政の許認可にも影響が出る可能性がありますので、ぜひ続けてご覧ください。

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