【第3回】なぜ清算人登記で「定款」が必要なのか?(株式会社編)司法書士が詳しく解説
株式会社が解散し、清算人を登記する際には「定款のコピー」を添付する必要があります。しかし、なぜ解散登記時に定款確認が求められるのか、他の登記では不要なのに清算人だけ例外なのか、実務でも誤解が多い部分です。本記事では、司法書士が清算人登記と定款添付の理由を体系的に解説します。

突然、法務局から「みなし解散に関する通知書」が届き、不安になっている方も多いのではないでしょうか。
「会社を閉めた覚えはないのに」「放っておくとどうなるの?」──そんな疑問に、香川県の司法書士が地域実務の視点からお答えします。この記事では、通知書を受け取った後に最初に確認すべき3つのポイントと、やってはいけない対応例を紹介します。
早めに正しい手順を踏めば、会社を守ることも可能です。
【目次】
1.みなし解散とは?──香川県でも増えている理由

「みなし解散」とは、長期間にわたり登記をしていない株式会社などに対し、法務局が職権で"解散したものとみなす"制度です(会社法472条)。
たとえば、12年以上登記を行っていない会社が対象となり、登記簿上では「解散」と扱われてしまいます。
香川県でも通知が急増
高松法務局の管轄内(高松市・丸亀市・観音寺市など)でも、令和5年末から令和6年にかけて通知が多く届いており、特に「休眠状態」の会社や、事業を休止している法人に多く見られます。
この通知を放置すると、会社が自動的に解散登記されてしまうため、取引先や金融機関の信用にも影響します。
2.通知書を受け取ったら、まず確認すべき3つのこと

通知書を開封したら、まず次の3点を必ず確認してください。
✅【1】通知書の宛名と会社名に誤りがないか
✅【2】登記簿上の「最終登記日」がいつか
✅【3】通知書に記載された「回答期限」(通常は2か月程度)
この3点を確認することで、
「対象となる会社が本当に自分の会社か」
「まだ対応できる期間が残っているか」
を判断できます。
ポイント
3.よくある誤解と「やってはいけない対応」

通知を受け取った方の中には、次のような誤解を持たれているケースがあります。
❌「みなし解散通知は無視しても大丈夫」
→ これは誤りです。期限を過ぎると、登記簿に「解散」と記載され、取引先が会社の存在を確認できなくなります。
❌「手続きすればいつでも元に戻せる」
→ 解散登記が完了してしまうと、「会社復活登記(みなし解散取消の登記)」が必要になります。
復活には株主総会の開催、登記書類、費用などが発生し、元に戻すのは容易ではありません。
❌「登記だけしておけば通知は関係ない」
→ 法務局は登記の"最終日"を基準に判断します。役員変更などの軽微な登記も含めて、12年以上更新がない場合は対象です。
4.香川県での実務フロー:法務局と登記簿の確認
香川県内で、法務局から「みなし解散」の通知が届いた場合の提出先は、会社の所在地にかかわらず高松法務局の本局となります。
登記簿の確認方法
登記簿の内容を確認しておけば、今後の対応方針を立てることができます。
5.すぐに行うべき初動チェックリスト

通知を受け取った直後に行うべき「初動3ステップ」をまとめました。
✅ステップ1:書類をすべて保管
封筒・通知書・添付文書をまとめて保管しましょう。原本がないと、後の手続きで照合できません。
✅ステップ2:登記状況を確認
登記簿を取り寄せて「最終登記日」を確認します。12年以上経過していれば、みなし解散の対象です。
✅ステップ3:専門家へ相談
期日内であれば、司法書士に依頼して「まだ事業を廃止していない旨の届出」を提出するか、登記申請を依頼することができます。
手続きは数日で済むケースも多く、早期対応で会社を守ることが可能です。
登記懈怠の場合、「過料」が発生します。
6.まとめ:放置しなければ、会社は守れる

みなし解散の通知は、会社の「終わり」ではありません。
期限内に行動すれば、会社を存続させることも十分可能です。
この4つを守れば、登記抹消・信用喪失を防ぐことができます。※過料はすでに登記懈怠等が発生しているので避けられません。
香川県内でも多くの企業が早期対応で復旧できています。焦らず、まずは一歩踏み出しましょう。
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