第1回:会社を解散するとは?基本手続きと登記の流れ

2025年10月13日

会社をやめたい、事業を整理したいと思ったときに必要になるのが「会社の解散登記」です。高松市でも、株式会社や有限会社を閉じる際には会社法に基づく手続きが求められます。本記事では、解散と清算の違い、登記の流れ、申請期限や費用などを司法書士がわかりやすく解説します。

目次

  1. 会社を「解散する」とは?清算との違い
  2. 会社が解散する主な理由
  3. 解散登記の手続きの流れ
  4. 解散登記に必要な添付書類の概要
  5. 登録免許税と費用の目安
  6. 高松市での実務上の注意点
  7. まとめ

1. 会社を「解散する」とは?清算との違い

「会社を解散する」とは、その会社が今後の事業活動をやめ、法律上「存続会社ではなくなる」という状態を意味します。
ただし、解散してすぐに法人格が消滅するわけではありません。会社は解散後、「清算会社」という立場に移行し、債権回収や債務の弁済などを行った上で、最終的に清算結了登記を経て法人格が消滅します。

👉 解散=事業活動の終了宣言
👉 清算=残務処理の期間

この2つを区別して理解することが重要です。

2. 会社が解散する主な理由

会社法上、解散事由はさまざまに定められています。代表的なものは以下のとおりです。

  • 定款に定めた存続期間の満了
  • 定款に定めた解散事由の発生
  • 株主総会の特別決議
  • 合併により消滅する場合
  • 破産手続開始の決定
  • 裁判所の命令や判決

実務上最も多いのは「株主総会で解散を決議するケース」です。高松市の中小企業でも、後継者不在や事業の終了などで、この手続きを選ぶ会社が多く見られます。

3. 解散登記の手続きの流れ

解散を決めた場合、会社は以下の流れで登記を行います。

① 株主総会で解散を決議

  特別決議(議決権の2/3以上の賛成)が必要。

➁ 清算人を選任

  通常は代表取締役がそのまま清算人になりますが、別の人物を選任することも可能です。

③ 解散登記・清算人登記の申請

  決議から2週間以内に法務局へ申請。

  高松市の場合は「高松地方法務局」が管轄。

④ 官報公告(債権者保護手続き)

  清算人が就任後、2か月以上の期間を定めて公告。

  債権者への個別催告も必要。

➄ 残務処理(資産処分・債務返済)

  債権の回収や未払金の支払いを行う。

⑥ 清算結了登記

  最終的に残余財産を分配し、清算結了の登記をすることで会社は消滅。

4. 解散登記に必要な添付書類の概要

解散登記には以下のような書類が必要です。

  • 株主総会議事録(解散決議)
  • 清算人の選任議事録または定款の定め
  • 清算人の就任承諾書
  • 清算人の印鑑届出書(印鑑証明書の添付が必要)
  • 定款(清算人会設置の有無など確認のため)
  • 株主リスト(株主総会決議を行った場合)

👉 詳細については、第2回以降で「株式会社」「有限会社」別に詳しく解説します。

5. 登録免許税と費用の目安

登記にかかる費用(登録免許税)は以下のとおりです。

  • 解散登記:3万円
  • 清算人就任登記:9,000円
  • 清算結了登記:2,000円

その他に、公告費用(官報掲載料:約3万5,000円~)、専門家への依頼費用などが発生します。

6. 高松市での実務上の注意点

  • 法務局の管轄:香川県内の会社であれば「高松法務局」が申請先です。
  • 提出方法:窓口申請のほか、郵送やオンライン申請も可能です。
  • 期限管理:株主総会で解散を決議した日から2週間以内に申請しなければならず、遅れると過料の対象になる可能性があります。
  • 添付書類の不備:特に定款の添付漏れ、株主リストの記載不備が多く見られるため注意が必要です。

7. まとめ

会社の解散は、単なる「廃業」ではなく、法律に則った一連の登記・清算手続きが必要となります。
特に高松市の中小企業にとっては、後継者問題や事業整理に伴う会社解散が今後ますます増えることが予想されます。

解散登記の流れを正しく理解し、期限を守って申請を行うことが重要です。

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