1人役員会社で代表者が死亡したら?|株主総会が開けない問題と実務対応

2026年04月22日

家族経営会社で意外に多いのが

代表者=唯一の役員

という会社です。

この状態で代表者が死亡すると、

役員がゼロの会社

になります。

すると問題になるのが

株主総会を誰が招集するのか

という点です。

役員が存在しないため、

通常の手続では株主総会を開催できません。

この場合、実務では

   ・仮取締役(仮役員)選任申立て

   ・株主総会招集許可申立て

   ・株主全員同意による株主総会開催

といった方法で対応します。

本記事では、1人役員会社で代表者が死亡した場合の
会社手続の実務対応を整理します。

目次

1.1人役員会社で代表者が死亡すると何が起きるか
2.株主総会が開けない問題
3.裁判所を利用する2つの制度
4.株主全員同意による株主総会開催
5.実務で多い会社の実態
6.事前対策の重要性


1.1人役員会社で代表者が死亡すると何が起きるか

中小企業では

代表取締役1名のみ

という会社も珍しくありません。

この場合、死亡により

取締役がゼロ

になります。

すると次の問題が発生します。

   ・代表者不在

   ・株主総会招集権者不在

   ・役員選任手続が進まない

つまり

新しい役員を選べない

状態になります。

2.株主総会が開けない問題

会社法では、

株主総会は通常

取締役が招集

します。

しかし

取締役が存在しない場合

招集権者がいません。

そのため

役員選任のための株主総会を
通常の方法では開催できなくなります。

これが

1人役員会社特有の実務問題

です。

3.裁判所を利用する2つの制度

このような場合、会社法には

裁判所が関与する制度

が用意されています。

仮取締役(仮役員)の選任申立て

利害関係人が裁判所に申立てを行い、

一時的な取締役を選任してもらう制度です。

仮取締役が選任されると

株主総会を招集することが可能になります。

株主総会招集許可の申立て

裁判所に対し

株主総会の招集許可

を求める制度です。

許可が出れば、

申立人が株主総会を開催できます。

4.株主全員同意による株主総会開催

もう一つ重要なのが

株主全員の同意による株主総会

です。

判例上、

株主全員が同意している場合には

招集手続に瑕疵があっても
株主総会決議は有効とされています。

そのため、

株主が相続人の中で確定しており

全員の同意が得られる場合

には

実務上

株主総会を開催して
役員を選任することが可能です。

中小企業では
この方法で解決するケースも少なくありません。

5.実務で多い会社の実態

実務では次のような会社が多く見られます。

   ・役員1名のみ

   ・株主名簿未整備

   ・株式の相続未処理

この状態で代表者が死亡すると

会社手続が一気に複雑になります。

6.事前対策の重要性

この問題を防ぐ最も簡単な方法は

役員を複数にしておくこと

です。

例えば

取締役2名体制

にしておけば、

1名が死亡しても
株主総会の招集が可能です。

会社法上の制度は整備されていますが、

実際には

事前の体制整備

が最も重要です。

ピックアップ情報

非公開会社において最も見落とされがちなリスクの一つが、相続による株主の増加です。株式が分散すると会社の意思決定が停滞し、経営権の所在が不明確となり、最悪の場合は事業継続そのものが困難になります。本記事では、株主分散が起きる構造を整理したうえで、実務上有効な集中化戦略まで具体的に解説します。

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