【第5回】種類株式ってなに?中小企業でも使える“経営防衛”の仕組み(高松市対応)

2026年07月15日

「株式を分けると揉める。でも一人に集中させると不公平になる」

このジレンマに対して、有効な解決策の一つが「種類株式」です。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、中小企業でも活用できる制度です。

結論から言えば、種類株式を使うことで"経営権と財産権を分ける"ことができます。
本記事では、その仕組みと実務での使い方をわかりやすく解説します。

目次

  1. 種類株式とは何か(結論)
  2. なぜ通常の株式では問題が起きるのか
  3. 種類株式でできること
  4. 中小企業での活用例
  5. 導入時の注意点 

1. 種類株式とは何か(結論)

まず結論です。

種類株式とは、「内容の異なる株式を発行できる仕組み」のことです。

通常の株式は、

  • 議決権がある
  • 配当を受ける権利がある

といった権利がセットになっています。

しかし種類株式を使うことで、

  • 議決権がない株式
  • 配当だけ受けられる株式

など、権利の内容をカスタマイズすることが可能になります。

2. なぜ通常の株式では問題が起きるのか

これまでの記事で見てきたとおり、
中小企業では「株式=経営権」です。

そのため、

  • 相続で株式が分散する
  • 複数人で意思決定することになる

といった状態になると、会社の動きが止まります。

一方で、

  • すべてを後継者に集中させると不公平感が出る

という問題もあります。

つまり、

「経営の安定」と「相続の公平」が衝突する構造になっているのです。

3. 種類株式でできること

ここで種類株式が活きてきます。

代表的なものが「議決権制限株式」です。

これは、

配当は受けられるが、議決権はない株式です。

これを活用すると、

  • 後継者:議決権のある株式を集中
  • 他の相続人:議決権のない株式を保有

という設計が可能になります。

つまり、

  • 経営は一人に集約
  • 財産としての配慮は維持

というバランスを取ることができます。

4. 中小企業での活用例

実務では、次のような形で使われることがあります。

例えば、

  • 長男が会社を継ぐ
  • 次男・長女は会社に関与しない

というケース

この場合、

  • 長男に議決権のある株式を承継
  • 他の相続人には議決権制限株式を配分

とすることで、

  • 経営の安定
  • 相続人間の公平感

の両立を図ることができます。

また、遺留分対策としても一定の効果が期待できます。

5. 導入時の注意点

ただし、種類株式は万能ではありません。

導入にあたっては、いくつかの注意点があります。

定款変更が必要

種類株式を発行するには、会社のルール(定款)を変更する必要があります。

設計を誤ると逆効果

内容の設計が不十分だと、かえって複雑なトラブルを招く可能性があります。

専門的な判断が必要

税務・法務・相続のバランスを考える必要があります。

つまり、

"仕組みとして優れている"が、"設計がすべて"の制度です。

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