今年も始まります。「みなし解散」の通知にご注意ください

2026年10月07日

これまで3回にわたり、

「会社の登記を最後に確認したのはいつですか?」

「役員変更登記を忘れていませんか?」

そして、

「会社は営業しているのに、なぜ『解散』とされるのか?」

というテーマでお話ししてきました。

今回は、いよいよ実際の対応についてです。

毎年10月頃、法務局では**「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」**を行います。

対象となる会社・法人には、法務大臣による官報公告が行われた後、登記所から通知書が送付されます。

そして、ここからが重要です。

通知を受けたにもかかわらず、必要な対応をしないまま一定期間が経過すると、実際には事業を続けている会社であっても、「みなし解散」の登記がされることがあります。

「うちの会社にも通知が来るかもしれない。」

そう思った経営者の方は、ぜひ最後までご確認ください。

目次

  1. 10月頃に何が起こるの?
  2. どんな会社が対象になる?
  3. 通知が届いたら、まず何を確認する?
  4. 対応には2つの方法があります
  5. 「まだ事業を廃止していない」届出だけで大丈夫?
  6. 通知が届かなかった場合は?
  7. みなし解散されるとどうなる?
  8. 今のうちに会社の登記を確認しましょう
  9. 次回は「通知が届いたら何をする?」を詳しく解説

1.10月頃に何が起こるの?

法務局では、長期間にわたって登記がされていない会社・法人について、毎年「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」を行っています。

この整理作業では、まず法務大臣による官報公告が行われます。

その後、対象となる会社・法人には、登記所から通知書が送付されます。

そして、公告から2か月以内に、

  • 必要な登記を申請する
  • 「まだ事業を廃止していない」旨の届出をする

という対応をしなければなりません。

何も対応しなければ、実際には事業を継続している場合であっても、みなし解散の登記がされます。

つまり、

10月頃に通知が届く
↓
2か月以内に対応する
↓
対応しない
↓
みなし解散

という流れです。

2.どんな会社が対象になる?

対象となる「休眠会社・休眠一般法人」には、一定の基準があります。

株式会社については、

最後の登記から12年を経過している株式会社

が対象です。

一般社団法人・一般財団法人については、

最後の登記から5年を経過している法人

が対象となります。

ここで注意していただきたいのは、

「会社を設立してから12年」ではない

ということです。

基準になるのは、

「最後に登記をしてから何年経過しているか」

です。

例えば、設立から20年経っている会社でも、その間に役員変更などの登記を適切に行っていれば、最後の登記から12年という基準には該当しません。

反対に、設立してから長期間、一度も登記をしていない会社は注意が必要です。

なお、特例有限会社は株式会社とは扱いが異なり、この12年を基準とする休眠会社の整理作業の対象には含まれません。

3.通知が届いたら、まず何を確認する?

もし10月頃、会社宛てに法務局からこのような通知が届いたら、

「何の通知だろう?」

と放置しないでください。

まず確認していただきたいのは、

「自分の会社が休眠会社の整理作業の対象になっている」

ということです。

そして、次に、

最後に登記をしたのはいつなのか

を確認してください。

さらに、

  • 現在の役員は誰なのか
  • 登記簿上の役員と実際の役員は一致しているか
  • 本店所在地は正しいか
  • 変更すべき事項が残っていないか

なども確認する必要があります。

「通知が届いたから、とりあえず届出だけしておこう」

と考える前に、会社の登記そのものを確認することが大切です。

4.対応には2つの方法があります

通知を受けた会社が、現在も事業を継続しているのであれば、基本的には2つの対応が考えられます。

① 必要な登記を申請する

例えば、長期間役員変更登記をしていなかったのであれば、必要な役員変更登記を行います。

この場合、単に「まだ会社をやっています」という意思表示をするだけではなく、実際の会社の状態に合わせて必要な登記を行うことが重要です。

② 「まだ事業を廃止していない」旨の届出をする

現在も事業を継続しているものの、今回の時点で必要な登記を行わない場合には、「まだ事業を廃止していない」旨の届出をする方法があります。

ただし、ここには非常に重要な注意点があります。

5.「まだ事業を廃止していない」届出だけで大丈夫?

結論からいうと、

届出をしたから、それですべて解決するわけではありません。

「まだ事業を廃止していない」旨の届出をすれば、その年の整理作業によるみなし解散を避けることはできます。

しかし、必要な登記をしない限り、翌年度も休眠会社・休眠一般法人の整理作業の対象となります。

つまり、

「とりあえず届出だけ出しておけば、ずっと大丈夫」

という制度ではありません。

もし長期間、役員変更登記などをしていないのであれば、今回をきっかけに会社の登記を整理しておくことが重要です。

6.通知が届かなかった場合は?

もう一つ注意していただきたいことがあります。

それは、

「通知が届かなかったから、自分の会社は対象ではない」

とは限らないということです。

例えば、本店所在地が実際の住所と異なっているなど、何らかの理由で通知が届かない場合があります。

法務局も、通知が届かなかった場合であっても、必要な登記や「まだ事業を廃止していない」旨の届出をしなければ、みなし解散の手続が進められることがあると案内しています。

したがって、

「通知が届くかどうか」だけを基準にするのではなく、自社の登記状況を確認すること

が大切です。

7.みなし解散されるとどうなる?

では、実際にみなし解散の登記がされると、どうなるのでしょうか。

登記簿上、会社は「解散したもの」として扱われることになります。

当然、これまでどおり事業を続けたい会社にとっては、望ましい状態ではありません。

例えば、会社の代表者として各種手続を行う場合や、金融機関との取引、契約、不動産、事業承継など、会社の活動に様々な影響が生じる可能性があります。

ただし、みなし解散の登記がされたら、すべて終わりというわけではありません。

株式会社などについては、一定の要件のもとで会社を継続するための手続もあります。法務局も、みなし解散後3年以内であれば、株式会社は株主総会の特別決議等によって会社を継続できる旨を案内しています。

とはいえ、

「後から戻せるから大丈夫」

と考えるのはおすすめできません。

余計な手続や負担を避けるためにも、通知が届いた段階で早めに対応することが大切です。

8.今のうちに会社の登記を確認しましょう

今回の記事でお伝えしたいことは、シンプルです。

「10月に通知が来てから考える」のではなく、今のうちに確認しておく。

これが大切です。

まずは会社の登記事項証明書などを確認して、

最後の登記はいつなのか?

を確認してみてください。

そして、

「長期間登記をしていない」

「役員変更登記をしていない」

「登記簿の内容が現在の会社の状態と違う」

「そもそも何をすればいいのか分からない」

という場合には、早めに司法書士などの専門家へ相談してください。

会社の登記は、問題が起きてから対応するより、問題が起きる前に確認しておく方が安心です。

9.次回は「通知が届いたら何をする?」を詳しく解説

今回の記事では、「みなし解散」の制度と、10月頃から始まる整理作業について全体像を説明しました。

しかし、実際に通知が届いたら、

「具体的に何をすればいいの?」

という疑問が出てくると思います。

そこで次回は、

「『みなし解散』の通知が届いたら、まず何をする?」

をテーマに、

  • 通知書が届いたら確認すること
  • 登記簿で確認するポイント
  • 役員変更登記が必要なケース
  • 「まだ事業を廃止していない」旨の届出
  • どちらを選択すべきなのか
  • 期限を過ぎてしまった場合
  • 専門家に相談するタイミング

など、実際に通知を受け取った経営者の方が知りたい実務的な内容を詳しく解説します。

10月から始まる「みなし解散」。

まずは慌てず、

「自分の会社の登記は大丈夫か?」

を確認するところから始めましょう。

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解散・清算結了登記

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