「みなし解散」された会社は、もう復活できないの?
ここまで6回にわたって、「みなし解散」について解説してきました。

ここまで6回にわたって、「みなし解散」について解説してきました。
第1回では、
「その会社、最後に登記したのはいつですか?」
というところから始めました。
そして、
についてお話ししてきました。
しかし、もし期限内に何の対応もしなかったら――。
会社は「解散したもの」とみなされ、登記簿にも解散の登記がされます。
ここまで聞くと、
「もう会社は終わりなのでは?」
と思われるかもしれません。
実は、そうではありません。
みなし解散の登記がされた後でも、一定の条件のもとで、会社を継続することができます。
ただし、そこには**「3年」という重要な期限**があります。
今回は、このシリーズの最後として、
「みなし解散された会社は、もう復活できないの?」
について解説します。
目次
1.「みなし解散」とは会社が完全に消滅したということ?

まず、ここを整理しておきましょう。
「みなし解散」とは、休眠会社について一定の要件を満たした場合に、
「解散したものとみなす」
制度です。
株式会社の場合、最後の登記から12年を経過している会社が対象となり、公告から2か月以内に必要な登記や「まだ事業を廃止していない」旨の届出をしなかった場合、解散したものとみなされます。
その結果、登記官によって職権で「解散」の登記がされます。
しかし、
「解散の登記がされた=その瞬間に会社という存在が完全になくなる」
というわけではありません。
会社法上、一定期間は会社を継続するための道が残されています。
2.みなし解散後でも会社を継続できる

みなし解散の登記がされた株式会社については、
株主総会の特別決議
によって会社を継続することができます。
つまり、
「通知に気づかなかった」
「届出をするのを忘れていた」
「登記をしなければならないことを知らなかった」
などの理由で、みなし解散になってしまったとしても、
すぐに会社をあきらめる必要はありません。
法務省も、みなし解散の登記後3年以内であれば、株式会社は株主総会の特別決議によって会社を継続できると案内しています。
これは、みなし解散になってしまった会社にとって非常に重要な救済措置です。
3.重要なのは「3年」という期限

ただし、ここで絶対に忘れてはいけないのが、
「3年以内」
という期限です。
みなし解散の登記がされた後、いつまでも会社を継続できるわけではありません。
みなし解散の登記後3年以内
に、会社を継続するための手続きを行う必要があります。
つまり、
「いつか会社を再開すればいい」
と放置していると、取り返しがつかなくなる可能性があります。
みなし解散になってしまったことが分かったら、
できるだけ早く現在の会社の状況を確認すること
が重要です。
4.会社を継続するために必要なこと

では、実際に会社を継続する場合には、何をすればいいのでしょうか。
大きな流れとしては、
①会社を継続することを決める
↓
②株主総会で特別決議をする
↓
③必要な登記を整理する
↓
④継続の登記を申請する
という流れになります。
そして、注意したいのが、
「会社継続の決議をしただけで終わり」ではない
ということです。
法務省の案内では、会社を継続した場合、決議から2週間以内に継続の登記を申請する必要があるとされています。
さらに、長期間登記をしていなかった会社であれば、
などについて、現在の会社の実態と登記簿を確認する必要があります。
単純に「継続登記だけすればいい」という話ではありません。
5.会社を続けるなら、登記だけを考えてはいけない

ここが、司法書士として皆さんにぜひ考えていただきたいところです。
みなし解散になった会社には、
「とりあえず会社を元に戻そう」
という気持ちになる方もいるでしょう。
もちろん、それも大切です。
しかし、本当に重要なのは、
「なぜ、この会社は長期間登記されない状態になっていたのか?」
ということです。
例えば、
「社長が高齢になった」
「後継者がいない」
「事業規模が小さくなった」
「以前は営業していたが、現在はほとんど活動していない」
「家族だけで経営している」
といった事情があるかもしれません。
そうであれば、単に登記を元に戻すだけではなく、
これから会社をどうするのか
を考える必要があります。
事業承継をするのか。
後継者を育てるのか。
第三者への事業承継を検討するのか。
あるいは、会社を整理していくのか。
「みなし解散」は、会社にとっての一つの警告として捉えることもできます。
6.逆に、会社を続けないという選択もある
そして、もう一つ大切なのが、
「会社を継続しない」という選択肢
です。
みなし解散になったからといって、
「何とか復活させなければならない」
というわけではありません。
例えば、
「もう事業をする予定がない」
「代表者も高齢で、後継者もいない」
「会社を残しておく理由がなくなった」
というのであれば、会社を無理に継続するのではなく、
解散・清算という形で会社を終わらせる
ことも選択肢になります。
大切なのは、
「会社を残すこと」そのものではありません。
その会社に関わる人たちにとって、
どの選択が一番よい未来につながるのか
を考えることです。
7.「みなし解散」を会社の未来を考えるきっかけに

今回のシリーズでは、みなし解散について7回にわたってお話ししてきました。
「登記を忘れていた」
「役員変更をしていなかった」
「通知が届いたけれど、どうすればいいか分からない」
――こうしたことは、決して珍しいことではありません。
しかし、みなし解散制度を単なる「登記の罰則」のように考えるだけでは、本質を見失ってしまいます。
会社は、
人がつくり、人が運営し、人が未来へつないでいくもの
だからです。
だからこそ、
「今の会社はどうなっているのか」
「これから誰が会社を担うのか」
「10年後もこの会社を続けるのか」
「次の世代へ引き継ぐのか」
「役割を終えた会社として整理するのか」
ということを考えることが大切です。
まとめ
みなし解散になったとしても、株式会社であれば、みなし解散の登記後3年以内であれば、株主総会の特別決議によって会社を継続することができます。
そして、継続を決議した場合には、決議から2週間以内に継続の登記を申請する必要があります。
しかし、本当に大切なのは、
「どうやって会社を復活させるか」だけではありません。
その先にある、
「この会社をこれからどうしていくのか」
を考えることです。
みなし解散の通知は、
「登記をしてください」
というだけの通知ではありません。
もしかすると、
「そろそろ、この会社の未来について考えてみませんか?」
というサインなのかもしれません。
会社にも「未来設計」が必要です。
続けるのか。
引き継ぐのか。
形を変えるのか。
役割を終えるのか。
その選択を早めに考えておくことが、会社に関わる人たちの安心につながります。
「みなし解散」7回シリーズを終えて
今回のシリーズでは、
第1回 その会社、最後に登記したのはいつですか?
から始まり、
第7回 「みなし解散」された会社は、もう復活できないの?
まで、会社の登記放置から、みなし解散、そして会社継続までを順番に解説しました。
「うちの会社は大丈夫だろう」
と思っている今こそ、一度、会社の登記簿を確認してみてください。
そして、
「会社の現在」と「登記簿の現在」が一致しているか。
それを確認することが、会社の未来を守る第一歩です。

ここまで6回にわたって、「みなし解散」について解説してきました。
というテーマで、通知が届いたときの具体的な対応についてお話ししました。
「会社は現在も営業しているのに、法務局から『みなし解散』に関する通知が届いた。」
毎年10月頃、法務局では**「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」**を行います。